政府による「緊急事態宣言」が発令されて以来、AIE国際高等学校では緊急事態宣言発令直後から、「Never Stop Learning(学びを止めるな)」をモットーに、すべてのクラスをオンライン授業に切り替えています。
教員たちは、試行錯誤の毎日です。オンライン授業が初めてだったため、どのようにするのが効果的かを授業を進めながら学んでいきました。教員間で授業のフィードバックを共有しながら、手書き資料、画像資料、ホワイトボード機能の使用等、様々な機能を使うようになりました。
今年4月に入学した生徒の中には、一度も通学することなく、オンラインクラスが始まった生徒もいます。通常、新しい環境に入るだけでも大変ですが、中学校までとも全く異なった学ぶ環境に入った彼らへのサポートは必須です。新入生の一人とオンラインで繋ぎ、個別面談を行った際には、「基本的には楽しんでクラスに出席しています。良い意味で忙しく、1ヶ月あっという間でした。僕らはAIE国際高校の授業はオンラインしか知らないんで、不思議な感じがします。皆に会える日を楽しみに頑張ります」と、前向きなフィードバックで安心しました。
リベラルアーツに重点を置く本校のクラスでは、ディスカッションやグループワークは欠かせない学び方です。直接会って話をするほど十分ではありませんが、オンラインクラスでも、小グループに分かれ、ディスカッションやグループプレゼンテーションを行っています。PowerPointの作成は、クラウド上で共同作業ができるため、離れていながらも、会話をしながら同時に作業を行えています。
Natural Science(自然科学)のクラスでは、新型コロナウイルスについてのグループプレゼンテーションをしました。生物とウイルスの違い、アビガン薬が効果があると言われる理由等、4人ずつのグループに分かれて取り組んでいます。4月から入学した生徒のクラスですが、クラス時間外でもグループワークをしたいという声が自主的に上がり、授業後にも時間を設けて取り組んでいます。新入生たちは、グループワークを通じて、協力しながら一つのものを作り上げていく楽しさを実感しているようです。
英語のWriting Skills(ライティング・スキル)では、クラス内で英作文の1問1答をします。オンライン授業では、生徒の手元の解答が見えないため、1問ずつ全員が自分の解答を口頭で答えています。
英作文の解答は模範解答通りにはなりません。様々な文法、単熟語を使用し、時には、模範解答よりも良い解答が出ることもあります。それに対して教員が、即添削をします。
例えば、「君の努力は無駄にはならないでしょう。」
模範解答は、「Your effort will not be in vain.」です。ここでは、「in vain=無駄に」という熟語が使用されています。
生徒:「『無駄になる』がわからなかったので、Your effort will be useful for your future.にしました。」
教員:「発想を変えて、あなたの努力は役に立ちますよ、にしたということですね。それでも良いです。ただ、in the futureにしましょう。in vainも覚えておいてください。」
クラス後、ある生徒と話をしていた際には、「もっとより多くの構文、イディオムを学びたくなりました」と言っていました。他の生徒の解答や質問、そして解説を聞くことが、さらなる英語学習への刺激になっているようです。
Social Science(社会科学)のクラスでは、アメリカ・ワシントン州にあるAIE留学部門の現地スタッフとのライブ中継を行いました。日本のニュースでは、アメリカといえばニューヨークのコロナウイルスの様子が多く報道されていますが、ワシントン州は比較的早期に徹底した措置を取り、状況は収束に向かい始めています。ワシントン州のコロナウイルスの状況、対策、日常の様子に加え、民間でどのような取り組みがされているかについて、現地でしかわからない内容のレポートがされました。
受講した生徒たちは、
「日本のニュースでは伝えられない現地の方々の取り組みがリアルに伝わってきた」「医療制度の違いが、人々の考え方に影響を与えていることを知った」「アメリカの寄付文化に興味を持った」といった感想を述べており、同じ現状でも視点が違うだけで、視野が広がることを実感したようです。より多面的に学びたいという意欲に繋がっています。
もちろん課題もあります。1日に数時間、iPadの画面を集中して見続けることは、やはり、思った以上に目を酷使します。3日程過ぎた頃から、「目がつらい」「肩と腰が痛くて・・・」という声が出ました。そのため、午後のクラスは、ストレッチから始めることもあります。
目を休めるために、「5 tips for your eyes(目に良い5つのエクササイズ)」動画を撮影し、生徒たちに配信しました。生徒からは「見ました!」「やってみました」という声が聞こえてきました。
対面での授業が再開されるまで、今後も工夫を重ねながら、生徒たちがしっかりと学べる環境を準備したいと思います。