Historyでは、主に近現代史について学びます。
このクラスでは、与えられた条件の中で、自分の意見を的確にまとめる文章力をつけることを目的としています。
今学期のテーマは「19世紀の中国の近代化について」です。個々の出来事から、当時の中国が抱えていた矛盾について考察します。
ある日の論述課題です。
「あなたは『太平天国の乱』をどのように評価しますか?」
先生の講義、教科書やたくさんの資料から、「『太平天国の乱』の何が限界だったのか」「この乱に関わった人々は、誰に何を訴えようとしていたのか」などの分析をしながら、「共感することはあるか」と自分に引き寄せて考え、各自でその出来事への評価を論文としてまとめます。
提出された論文は、先生が書いた論文も混ぜて、生徒同士で採点をしています。文章は匿名のため、誰の論文かの見当はつきません。生徒たちは模範解答を10点として、それぞれの論文をじっくりと分析し点数をつけます。その後、論文の評価について、活発に意見を交わします。
他の人の文章を評価することは、客観的に文章を構成する力になるという考えから、論文でいろいろな文章を読み込み、それぞれを評価することで、論述のスキルアップを目的としています。
随時、添削と評価についての講義もあり、クラスを通して客観的な視点が養われています。
他科目のIBの先生からも、生徒たちの論理性が伸びていっており、確実に力がついていると、もっぱらの話題です。
生徒たちからは、
「このクラスで、歴史と現代を生きる自分たちのつながりを実感できるようになりました。『歴史』のイメージが、全く変わりました。」
「あくまで一つの論文として見るとどうか、という観点で意見を言い合うので気づきの多い時間です」
「お互いに論文のアプローチが違い、面白いです。また、採点をする責任を負う分、丁寧に論文を読む習慣がつきました。」
という意見が聞かれました。
クラスに留まらない実践的な学びを生徒たちも実感している様です。